Tipsの最初は、何といったって、基礎中の基礎、キャリブレーションについて

今使用している測量器TS(トータルステーション)はLeica1100シリーズ。
ts1100
標準偏差3秒精度器が2台、5秒が1台、計3台が稼働中です。

正確な計測を保証するため、器械の補正を行っています。
TSの良い所は、簡単に補正調整(キャリブレーション)が出来るところです。
トランシットの頃から機械的な調整を楽しんでいた私としては、楽しみの一つとなっています。
それで、機器選択時も「補正調整」機能の良否が重要項目です。

私のキャリブレーションを紹介します。

まずは、気泡管の調整(電子レベルのコンペセイター補正値決定)

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仕事が終わって自宅に持ち帰り、玄関内の土間に三脚を低く備え付け、TSを乗せ整準後2時間ほど放置します。
(その間、夕食です。)

自宅玄関で調整するのは、
建物がRCで土間も厚いコンクリートにタイルばりで、振動、傾きに安定している。
近くに大きな道路もなく、自動車もほとんど通らないので振動が少ない。(東西は公園で近所には家が少ない。)
夜に行うので温度変化が少なく、光もあたらない。脚の伸縮やTS金属部分が安定し、一様な影響のみ。
屋内でどんな格好でも気にならないし、作業しやすい。
と考えてのこと。

さて、夕食も終わり、一杯飲んで体の調子を良くして
smiley_winkから、調整にはいるのです。
その時、器械の側に立つと体重で傾いてしまうのではと思い、それならと場所を移動しないで体重変化も起きにくいよう、椅子に正座しておこないます。

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椅子は、体重が土間に影響しないよう、玄関上がり口のフロアーに置きます。

あと気になるのは自分の体温のみ。体からの放射熱がTSの一方向のみに影響しないかと心配です。(アルコールが燃焼してますので)
どうしたら良いのか。変温動物になるっきゃない!
しかし、冬は調整中に冬眠してしまいそうだし。


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準備ができましたら、メニューから
「キカイノ キャリブレーション」を選びます。





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続いて、F1「l,t」を押し、電子水平センサーの調整します。

この作業を何回もしていると補正値がほぼ同じ値となってきます。その辺り終わり時としてます。




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こうした補正の後は、どのようにTSを回転させても傾きはきちんと 0" に落ち着きます。(気持ちいいですね。)






ついでに、求心(レーザー)のチェックも行います。
(これだけは調整できませんから)
光学式なら調整できるのですが。

チェックには薄緑色など紙を使い、赤色レーザーの乱反射を取り除きます。こうするとレーザーの中心が良くわかりますから中心の移動が確認しやすいのです。

レーザーを照射しながら、TSを回転させ適当な角度ごとに照射中心に鉛筆で点を描きます。180度対面での中心点間距離が規定内に入れば良しとします。
(レーザーの鉛直精度にも個体差があります。)

しかし、こんなに調整しても、
現場では水平は一致しませんね。出来るだけ早めにTSを取り出して現地気温に慣らすのですが、無理ですね。
内部のセンサーが安定しないのか、日光、伸縮、振動、気になって作業が進みません。
(マニュアルには、1度の温度差につき2分くらいと記されてます。)

仕方なく、回転させながら求心のズレを確認して「諦め」で整準を終えています。だけど、自ら調整しておくと、こうした求心のズレが分かっているので、安心できます。あとは自動補正に頼るしかありません。

そうそう、現場で求心(レーザー照射)する対象物は金属鋲がほとんどなので、レーザーが金属反射して大変、見づらいものです。
光量を一番最低の10%にしているのですが、中心が掴めません。
そんな時、私の場合は鋲に黄色のマジックを塗っています。こんなもので結構見やすくなります。

水平、求心で2時間は最低かけてしまいます。疲れます。
時には納得できずに深夜までなってしまうことも。(飲酒調整のせいかな?)

ここで、水準の調整は終わり、寝ます。




朝、
今度は、いよいよ外での調整となります。
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早朝より、近所の公園へ出かけ、サッカーや野球をやっていないのを確かめ、TSと1素子を100mくらい離して据え付けます。








前もって天気を調べ、曇りを狙っていますが、外れた時は大変です。
日光が当たらない場所や日射による大気の揺らぎを気にしなければなりませんから、設置場所に苦労します。

私が利用する公園は木々の下で影が100m確保できるので助かっていますが、晴れだと風も出てきたりしますから避けた方が良いと思います。

最初に行なうのは、鉛直軸の補正です。
で、機械を据え付け、当然、水平セットを行ないます。

ちょっと待った!!!
取り出して、直ぐに調整は出来ませんよ。伸縮が無いように周囲の温度と同じにしてください。(日陰や曇りの日を選んで)

では、F2キーを押して、100m先のターゲットを視準し、プログラムに従って測定し、誤差を求めます。指示通りやれば問題なく終わります。

100m先を視準するのに苦労します。
歳のせいか、視度調整が直ぐにずれてしまいます。
ピントが合っているのか分からなくなります。
絶えず、頭を少し振動させ、視準軸と目の中心をズラしたりして確かめているのですが、段々分からなくなってきます。

調整も1回こっきりで補正値を決定しないので、何回も試みます。
同じような値が続くまで繰り返しますから、
いやー、疲れます。

次に視準軸補正、

そしてチルチング軸、一番疲れる補正です。
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水平面から+-27度以上の地点を正確に視準しなければなりません。

この出水口公園の隣にはテレビ宮崎があるので、基地局アンテナを無断利用させて頂いております。(感謝、正確なターゲット板を取り付けてもらえると、もっと感謝感謝)

こういう場所って、なかなか無いんですよ。
日陰、100m以上の確保、車も近くまで付けれるし、トイレも水もあるし。なかなかベストな場所です。

さて、性格なのか27度以上と言われると、出来るだけ高くぎりぎり見える箇所を測ろうとする性格でして、無理な格好して視準しています。
これが一番疲れる原因なんですが、それにしても辛い。


これで一般には一通りの補正値は得られたのですが、もう一つだけ残された調整があります。



ATR(自動視準装置)です。
この機能のためだけにやってこれたと言えます。

これが終わると、楽々な世界が楽しめます。それまでは産みの苦しみですね。

何度も何度も視準し、補正値を絞り出し、追い込み、やっと調整を終えます。
何れくらい掛かったのかって?  半日は費やしてます。


さて、最後に楽しみの調整後に点検をに入ります。
この時には自動視準を使っての確認作業なのでとってもラクチンです。

調整作業で使った一素子プリズム(GPR1、標準偏差3秒精度となってます。よく理解できてませんが。)をそのまま使って、ランダムにプリズムの周りにTSの望遠鏡を適当に向けて自動視準させます。
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出来るだけ4方向にランダムに向け、観測キー(F1、ALL)を押します。

そうするとTSが勝手に視準し、観測結果を記録してくれます。


いつも、100m先の一素子プリズムを100回程度
     50m先のミニプリズムを100回ほど観測します。

その結果は、次の通りです。(80回観測分)
調整結果

1回目の調整では、正反毎の単純平均較差が4.2秒でしたが、2回目の調整後は3.4秒になりました。高度の方も2.3秒へと。
現在、この精度で使用中です。 

こうした調整後の器械をみんな信頼しています。
現場での長年の運用経験から、殆ど誤差が出ないと感じており、
今では、距離較差が0mm、1mm、トラバーは点数にもよりますが1/10万ぐらいは出ないと、何処かおかしいのではないかとの感覚が常識となってしまいました。

ライカの精度の良さや使いやすさ、これまでのいろいろな機器をいじってきましたが、”
良い器械ですねと星、5つ。遊べます。★★★★★



次回は、まだ未定ですが普及しつつある脱トラバー、
GPS観測基準点とか紹介出来ればと思ってます。

(Sho)